正常心音の聴診/静脈圧について
・正常心音の聴診
僧帽弁口音…心尖拍動部(左鎖骨中線・第5肋間)
三尖弁口音…胸骨下端部(剣状突起接合部付近)
大動脈弁口音…京骨右縁
肺動脈弁口音…胸骨左縁第2肋間で2つの音を聴診
初めの1音は、心尖拍動とほとんど同時に聴く者で、心室収縮期の開始に当たる。後の2音は、心室拡張期の開始に一致する。
1音…比較的長く調子低く鈍なる音
2音…短く高く鋭い音
1音から2音までの時間、即ち心臓収縮期は2音から次の1音までの時間、即ち心臓拡張期よりも短い。正常な2音は、半月弁の閉鎖により生ずるので、大動脈弁成分と肺動脈弁成分の2成分より成り立っている。
正常時には、大動脈弁成分の方が肺動脈弁成分よりやや先行する。幼児や若年者では、正常でもしばしば3音が聴かれる。正常な3音は左心由来で、胸壁の薄い人や女子で聴こえることがある。低調な音なので、ベル型の聴診器を軽く心尖部に当てて聴くと良い。
・静脈圧について
仰臥位の静脈圧の正常値は40?80?H2O(水柱)で、100?H2O以上は徐脈・うっ血を示す。右心不全・心膜炎・大静脈血栓・大動脈瘤・縦隔洞腫瘍で著しい上昇がみられる。
ショック・虚脱では20?30?H2O程度に低下する。
聴診器について
聴診器について
ここでは、普段病院のお医者さんが使っているような聴診器についての話を書きます。聴診器もピンからキリまでですが、かなり値段によって聞こえ方が違うようです。聴診器の主なブランドやメーカーは、リットマン、ラパポート・スプラーグ、ウェルチ・アレン、DRG、リースター、ウルトラスコープなどがあります。中でも一番メジャーなのはリットマンです。
聴診器の体表に接する採音部には、ベル型(漏斗型)、膜型がある。ベル型は低周波(低調)の音(例えば僧帽弁狭窄症の拡張期ランブル)が聴きやすく、膜型は高周波(高調)の音(例えば大動脈弁閉鎖不全症の拡張期潅水音)が聴きやすい。
心臓の聴診にはこの両方の型で行う必要がある。肺の聴診にはベル型がよく用いられるが、深部の肺炎による弱い高調の呼吸音は、膜型で初めて聴こえることがある。膜型だけのものは、重症患者で仰臥位のままで背部に当てて聴診するのにも用いられる。