降圧剤の薬物治療について
降圧剤の薬物治療について
生活の注意で血圧が下がらなければ降圧薬を加える
a.利尿薬(プロセミド、ダシックスなど)
食塩と水分の排泄を促し、体内の循環血液量を減らして、血圧を下げる。
b.交感神経抑制薬
交感神経の緊張を解いて血圧を下げる。
・脈拍数を減らすβ遮断薬
→プロプラノロール、インデラールなど
・血管の収縮を抑えるα遮断薬
→カルデナリン、レタンドルアールなど
c.カルシウム拮抗薬
細胞内にカルシウムが流入すると、血管が収縮して血圧が上昇する。この薬は細胞膜に作用し、カルシウムの流入を抑えて、血管を拡張する効果がある。
d.アンジオテンシン変換酵素阻害薬
血圧を上げるホルモンであるアンジオテンシンを産生する酵素の働きを抑えて、血圧を下げる。
レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系について
何らかの障害で腎臓に流れ込む血液量が減ると、腎臓から「レニン」という酵素物質を分泌し、血液中の蛋白質に作用して「アンギオテンシン」という物質を作る。
アンジオテンシンは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの昇圧物質より、数十倍も強力な昇圧作用を持っている。
このアンジオテンシンは血圧を上げるだけでなく、副腎皮質から「アルドステロン」というホルモンを分泌させ、腎臓でのナトリウムの再吸収を増加させる。再吸収されるナトリウムの量が増えると、当然血液のナトリウム濃度が上昇する。すると、血液組成のバランスを取り戻そうとして、腎臓から水分再吸収が起こり、血液量が増加する。血液量が増えれば更に血圧は上昇する。ナトリウムが蓄えられ血圧が上昇すると、今度は逆にレニンの分泌が抑制される。
このように「レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系」は、体液、特に細胞外液の現象に対して極めて敏感に反応して、血圧の調節・循環血液量の保持に役立っている。
重症な高血圧では、腎臓の糸球体輸入動脈が収縮してレニン分泌が亢進すると、血圧は更に高くなる。
薬物治療のポイントは、薬は血圧をコントロールするもので自己判断で服用を止めるのは危険ということです。結構多くの患者さんがのんだり飲まなかったりするので、服薬を徹底するようにしてもらうのが大切。
高血圧は、日常生活の過ごし方に深く影響されるので、たとえ薬を服用していても、普段の生活環境を整え、血圧が上がらないよう努力する。
降圧薬は、飲み始めたら一生飲み続けなければならないと思われているが、日常生活に十分注意すれば、15?20%の人が薬を減らしたり、止められる可能性がある。血圧が下がったからと、勝手に薬を減らしたり、止めたりしてはいけない。血圧は下がっても、高血圧が治った訳ではない。降圧薬で血圧がコントロールされているだけである。
勝手に薬を中止すると、反動で急激に血圧が上昇することがある。その結果、脳卒中や心筋梗塞などを起こすことがある。薬を止める時は、徐々に薬の量を減らしたり、反動の少ない種類に変えていくなど注意が必要である。