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生活習慣の改善で高血圧予防(治療)
生活習慣の改善で高血圧予防(治療)
高血圧の原因として、遺伝因子と、生活習慣因子があります。遺伝因子は、変えることができないものなので、ある程度仕方がないですが、もうひとつの生活習慣を変えることで高血圧の予防、治療をすることができます。高血圧と言われたら、まず生活習慣の見直しをすることをオススメします。
食事や運動などの生活改善を、約3ヶ月間行っても効果がみられなければ、薬による治療を行う。
特に薬物療法を行った方が良い人は、
・血縁者に脳卒中や心筋梗塞などを起こした人がいる人
・糖尿病や高脂血症などがある人
・軽い高血圧でも、既に心臓や腎臓などに障害が現れている人
こうした危険因子がなくても、収縮期血圧が160?Hg以上、拡張期血圧が95?Hg以上の時は降圧薬を使った方が良い。
食事や生活に注意し、運動を習慣にすることが大切
a.食事の注意
まず大切なのは、食塩の摂取量を1日6g程度に制限することである。日本人の平均的な食塩摂取量は、1日12?13gなので、その半分以下にする。高血圧の人には減塩をすると血圧が下がる食塩感受性の人とそうでない人がいる。食塩感受性の人は、血圧上昇の原因が腎臓のナトリウム排泄機能の低下にあると考えられ、体内のナトリウム量が増えても血圧を上げているので、塩分の摂取制限を行えば血圧は下がる。
しかし血圧の上昇の原因が他にある時は、塩分の制限をしても血圧が下がりにくい。
太っている人は標準体重(標準体重[?]=身長[m]×身長[m]×22で求められる)の10%以内を目標に減量に努力する。
アルコールは1日にビールなら大瓶1本程度、日本酒なら1合程度までに控える。
食塩の害を防ぐ、カリウムやカルシウムの摂取も大切である(これらのミネラルを多く含むもの→野菜や果物、小魚など)。牛乳などの乳製品からのカルシウムは吸収がよいので、摂取が進められる。海藻類や穀物などに多く含まれるマグネシウムは、カリウムの働きを助ける作用がある。
b.生活の注意
現代生活はストレス要因が多いので、できるだけストレスを避ける。睡眠不足も血圧のために良くないので、睡眠時間は最低でも7時間は取った方がよい。日常生活ではできるだけ大らかな気持ちで、イライラせずに暮らすことも大切である。また、喫煙も止めるように努力する。
c.運動療法
毎日適度な運動を続けると、血圧が下がる。手軽で続けやすい運動は1日40分位、脈拍が1分間に110?120程度に上がる早足歩行である。車に頼ることを避け、できるだけ歩くようにする。血圧を下げるため、適度な運動を生活の中に習慣づけることが望ましい。
高血圧の合併症とツボの話し
高血圧の合併症とツボの話し
合併症を防ぐ
本態性高血圧だけでは生命に関わることはないが、合併症を起こすと生命に関わる。
高血圧の治療の目的は、血管病変を防ぎ、脳卒中や心疾患などの合併症を抑えて、死亡率を下げることにある。
女性は更年期で女性ホルモンが減ると、動脈硬化が進行し、高血圧になりやすい。
【鍼灸】
強刺激を与えない。百会・天柱・風府・天?・臑兪
【ツボ療法】
こうかん、人迎、中かん、委中、両足アキレス腱のつけ根の凹み(母指と次指で挟むようにして強くマッサージする)。
高血圧の分類
高血圧の分類
高血圧は原因によって2つに分けられる
(1)2次性高血圧
腎炎などの腎疾患や血圧調節に関係するホルモンの異常、神経や血管の異常によって血圧が高くなるのが、2次性高血圧である。原因を治すことで血圧は下がる(高血圧全体の5?10%)。
a.内分泌性高血圧
この頻度は、高血圧の1%程度。
1) 褐色細胞腫
副腎髄質または交感神経節の腫瘍により、
カテコールアミンが大量に分泌され、血圧が亢進する。高血圧・頭痛・多汗・高血糖・基礎代謝亢進の5大症状があり、発作性高血圧型と持続性高血圧型に分けられる。尿中カテコールアミンの増量を証明することにより、診断が確定する。
副腎髄質の昇圧物質はアドレナリンで、交感神経末端にはノルアドレナリンがあり、脳や副腎髄質にも存在する。
ノルアドレナリンの前駆物質であるドーパミンを含めて、これらを総称してカテコールアミンという。
2) クッシング(cushing)症候群
副腎皮質の機能亢進、特にグルココルチコイドの過剰分泌により起こる症候群である。両側脂質の増殖によるものが多く(80%)、一側の腺腫形成(10%)、癌(5%)に由来することもある。高血圧(84?85%)と共に、肥満(97%)、多毛(69?73%)、無月経及びインポテンス(71?86%)、皮膚の菲薄と線条(60?71%)、ざ瘡=ニキビ・皮膚の色素沈着(26?82%)が見られる。
肥満は顔面(満月様顔貌)・頚部や躯幹に著しく、四肢は細い。
3) 原発性アルドステロン症
副腎皮質の腺腫、時に増殖により、アルドステロンの過剰分泌が起こる状態。高血圧の他、筋の脱力やテタニーを伴う知覚異常、頭痛、多尿(特に夜間多尿)、口渇(口が乾く)がある。
血清のカリウム低下・ナトリウム上昇があり、尿中アルドステロン排泄は著しく増加する。
b.腎性高血圧
頻度は高血圧の3?5%。腎臓の実質・血管・皮膜や尿路の閉塞による。
腎動脈の狭窄・閉塞による高血圧は、腎血管性高血圧という。実質の障害としては、糸球体腎炎・慢性腎盂腎炎・嚢胞腎・アミロイド腎による。
c.神経性高血圧
脳圧亢進(外傷・腫瘍・炎症)、第4脳室腫瘍、脳幹障害など、中枢神経系の気質的病変が高血圧の原因となる。
高血圧の原因として占める頻度は低く、高血圧そのものが重要な症状になることは稀である。
d.心臓血管性高血圧
大動脈縮窄症における高血圧は両肢の高血圧で、下肢血圧は低いのが特徴。大動脈が峡部(大動脈弓部で、左鎖骨下動脈が分岐してから下行大動脈に移行する部)、あるいはこれより末梢で、狭窄を起こしている。血栓大動脈炎で起こり、頚動脈拍動は強性であるが、大腿動脈拍動は弱いかまたは触れない。
大動脈弁閉鎖不全症・動静脈稜・動脈管開損(大動脈より肺動脈へ血液のシャントがあり肺循環血液量が増加するため、肺動脈が拡張する)にみられる高血圧は、心総血量の増加によるもので、最高血圧は上昇し、最低血圧は低下する収縮期高血圧である。
大動脈硬化による収縮期高血圧は、大動脈の弾力性低下によるもので(高齢者にみられる)、最低血圧は正常かやや低めである
(2)本態性高血圧
高血圧の90?95%を占める。原因がはっきりせず、40歳代から増加する。血圧は血管の緊張・体液の容積・心臓・腎臓・中枢神経系・内分泌など、色々な調節機構で調節されているが、調節機構のどこかに原因があって高血圧になる。
例えば、次のようなことが起こる。
・緊張で血管が強く収縮する
・心臓が活発に働きすぎて、血液を多く送り出す
・腎臓でのナトリウムの排泄障害
・交感神経の緊張によるホルモンの分泌異常
・血圧に関連した体液性の因子の異常
これらの調節機構は、
・高血圧になりやすい遺伝的要因
・肥満
・食塩の取り過ぎ
・運動不足
・ストレス
などの環境因子によって血圧が上昇する。
環境因子や遺伝的要因には個人差があり、複雑に作用しあい原因を特定して治療することは困難である。
しかし、環境因子を改善することで、血圧を下げることは可能である。両親または片親に高血圧がある頻度は85%と高い。両親共に高血圧、片親だけが高血圧患者の間に生まれた子供のそれぞれ3分の1・5分の1に高血圧の発症がみられることから、遺伝が重視されている。
降圧剤の薬物治療について
降圧剤の薬物治療について
生活の注意で血圧が下がらなければ降圧薬を加える
a.利尿薬(プロセミド、ダシックスなど)
食塩と水分の排泄を促し、体内の循環血液量を減らして、血圧を下げる。
b.交感神経抑制薬
交感神経の緊張を解いて血圧を下げる。
・脈拍数を減らすβ遮断薬
→プロプラノロール、インデラールなど
・血管の収縮を抑えるα遮断薬
→カルデナリン、レタンドルアールなど
c.カルシウム拮抗薬
細胞内にカルシウムが流入すると、血管が収縮して血圧が上昇する。この薬は細胞膜に作用し、カルシウムの流入を抑えて、血管を拡張する効果がある。
d.アンジオテンシン変換酵素阻害薬
血圧を上げるホルモンであるアンジオテンシンを産生する酵素の働きを抑えて、血圧を下げる。
レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系について
何らかの障害で腎臓に流れ込む血液量が減ると、腎臓から「レニン」という酵素物質を分泌し、血液中の蛋白質に作用して「アンギオテンシン」という物質を作る。
アンジオテンシンは、アドレナリンやノルアドレナリンなどの昇圧物質より、数十倍も強力な昇圧作用を持っている。
このアンジオテンシンは血圧を上げるだけでなく、副腎皮質から「アルドステロン」というホルモンを分泌させ、腎臓でのナトリウムの再吸収を増加させる。再吸収されるナトリウムの量が増えると、当然血液のナトリウム濃度が上昇する。すると、血液組成のバランスを取り戻そうとして、腎臓から水分再吸収が起こり、血液量が増加する。血液量が増えれば更に血圧は上昇する。ナトリウムが蓄えられ血圧が上昇すると、今度は逆にレニンの分泌が抑制される。
このように「レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系」は、体液、特に細胞外液の現象に対して極めて敏感に反応して、血圧の調節・循環血液量の保持に役立っている。
重症な高血圧では、腎臓の糸球体輸入動脈が収縮してレニン分泌が亢進すると、血圧は更に高くなる。
薬物治療のポイントは、薬は血圧をコントロールするもので自己判断で服用を止めるのは危険ということです。結構多くの患者さんがのんだり飲まなかったりするので、服薬を徹底するようにしてもらうのが大切。
高血圧は、日常生活の過ごし方に深く影響されるので、たとえ薬を服用していても、普段の生活環境を整え、血圧が上がらないよう努力する。
降圧薬は、飲み始めたら一生飲み続けなければならないと思われているが、日常生活に十分注意すれば、15?20%の人が薬を減らしたり、止められる可能性がある。血圧が下がったからと、勝手に薬を減らしたり、止めたりしてはいけない。血圧は下がっても、高血圧が治った訳ではない。降圧薬で血圧がコントロールされているだけである。
勝手に薬を中止すると、反動で急激に血圧が上昇することがある。その結果、脳卒中や心筋梗塞などを起こすことがある。薬を止める時は、徐々に薬の量を減らしたり、反動の少ない種類に変えていくなど注意が必要である。
高血圧の生活因子と遺伝因子
高血圧の生活因子と遺伝因子
血圧は主に心臓から送り出される血液量(心拍出量)と、その血液を受け止める末梢血管の抵抗とで決まるので、心拍出量が増えたり血管の抵抗が増えたりすれば、血圧は上昇する。その原因には、遺伝的因子と生活環境因子があり、高血圧には、それぞれ50%ずつ関係している。だから、高血圧は、生活面だけでも遺伝面だけでもなく、遺伝的因子に生活環境因子が加わって高血圧になることが多い。遺伝的因子は、親から受け継いだものなので、仕方ないとして、自分は、高血圧の素因を持つ人間だということを自覚して、生活面を見直すことが大切となる。
(1)遺伝的因子
体質的に次のような障害がある時は、血圧が上がりやすい。
a.脳神経系の障害
血圧をコントロールする脳からの指令系がうまく働かない。
b.腎臓の障害
血圧を上げる要因である食塩の排泄がうまく出来ない。
c.心臓血管系の障害
心拍出量や血管の抵抗が、体質的に大きい場合。
d.内分泌因子の障害
血圧のコントロールには、ホルモンなどの分泌が関係する。
(2)生活環境因子
日常生活の中に血圧を上げる要因が沢山ある。
a.食塩の過剰摂取
食事で食塩を取り過ぎると、血管が収縮して血圧が上がる。
b.過食、肥満
肥満していると、循環血液量が増加し、末梢血管の抵抗が上昇して血圧が高くなる。
c.アルコールの過剰摂取
習慣的に大量摂取していると、血圧が上がりやすい。
d.カルシウム、カリウムの摂取不足
これらのミネラルには、食塩の害を打ち消す作用がある。
e.喫煙
煙草を吸うと血管が収縮して血圧が上がる。
e.ストレス
ストレスが加わると、神経やホルモンの関係で血圧が上昇する。
f.運動不足
適度な運動は血圧のコントロールに役立つ。